有元建設
有元裕章さん

「環境を整えることから未来に残る仕事へつながる」

八尾、柏原、藤井寺、羽曳野を中心に、建売住宅の工事や注文建築を行っている有元建設さん。約40年前にお父さまが創業され、親子二代で家づくりに携わっておられます。二代目である有元裕章さんに、日々の作業や大工仕事の楽しさなどについて伺いました。

 

ものづくりが好きで自然にこの道へ

———お父さまが創業されて二代目ということになりますが、跡を継ぐというのは、いつ頃決められたのでしょうか。

「高校卒業後に父の会社に入りました。実は高校を決めるとき、自動車整備士になりたいから自動車科に進もうと思っていましたが、いつの間にか建築科に変わってて、半ば強制かな(笑)。ものづくりが好きなので、3年間の授業は楽しかったですけどね。
今思えば、小学校の夏休みは1日500円の小遣いで父と一緒に現場に行き、材料を運んだり掃除をしたりしていました。何となく自然にこうなったという感じです」。

———大工さんの見習い時代は厳しかったですか。

「父より年上の大工さんについて、一つひとつ学んでいきました。幸いたくさん先輩がいて、何でも分からないことは教えてもらって、そんなに辛いとは思わなかったかな。大工見習いから大工となり、現場監督をしたり業者さんの手配をしたりも少しずつするようになり、4年後には、1棟丸ごとを任せてもらうようになっていました」。

———すると22歳の頃から1棟を完成させる責任を持たれたのですね。現場にはさまざまな業者さんが出入りされるから、工事の手配など大変なことはなかったですか。

「そうですね。ただ皆さん父と長年つながりがあり、子どもの頃から知っているおじさんばかり。必要なことを伝えれば、任せて安心って感じでした。最初は頭が上がらなかったんですけどね。信頼できる方ばかりで本当に心強かったです」。

———なるほど。お父さまの頃からのチームワークができていたのですね。それから約20年経ちますが、協力業者さんとの信頼関係を保つために何かされていますか。

「普段のつきあいを大切にするってことかな。夏には若狭の海に行って素潜りしたりバーベキューしたりして、そのまま泊まります。だいたい10人前後、大人だけの遊び。祖父の家がある揖保川に鮎釣りに行くことも。飲みに行く時も一緒に遊んで騒いで、腹を割っていろんな話をすることで、信頼関係ができてくるのではないかと思っています」。

———お父さまから、大工仕事全般で教わったことは?

「仕事というより、酒の飲み方でしょうか。倒れるまで飲むとか(笑)。今は飲まない人も多いから、ほどほどですけどね。父と仕事をすることはあまりなかったのですが、一緒に木材の刻みをしたことは懐かしいですね」。

環境を整え「早くきれいに丁寧に」

———現場監督として、大工さんとして家づくりで心がけていることはありますか。

「建売住宅の場合、お客さんと直接話をしないこともありますが、やはり1棟1棟ご要望に添った家づくりをしたいと考えています。
見えないところにも手を抜かず丁寧に、ってことかな。家って仕上がってしまえば内部は分からないけど、20〜30年後、リフォームするとき他の大工に笑われないようにはしておきたいね。自分たちの仕事は未来に残るから、いい加減なことはできないなと思っています」。

———確かに、素人は仕上がってしまえば分からないから、建てていただく方にお任せするしかないです。

「基本中の基本、当たり前のことですけどね。あと施主さんには直接関係ないのですが、現場をきれいにする、整理整頓は常に心がけています。子どもの頃や見習い時代、雑然とした現場を見て、『もう少し片付けたら仕事がしやすいのに』ってずっと思っていて。性格もあるでしょうが、整然としていないと作業がはかどらなくてイライラ(笑)。仕事で悩んだときも、じっと考えるのではなくまず掃除。きれいになる上に落ち着いて考えることで、思考の整理ができて考えがまとまってきますね」。

———いいですね!整理整頓はどんな仕事をする上でも基本になります。作業をスムーズに進めるために大切なことなのですね。

「いつも考えているのは、早くきれいで丁寧な仕事をすること。いくら仕上がりが美しくても遅すぎたら意味がないですから。そのためには現場の環境を整えることが大切な要素ですね」。

和室のある家をつくり続けたい!

———有元さんにとっての仕事の楽しさとはどんなところでしょうか。

「和室の造作をしていると、手間はかかりますが、本当に楽しいんです!残念ながら和室のある家が少なくなってきました。天井は板張りで、やわらかい独特の風合いのある畳の部屋。外観は純和風の和瓦で漆喰の壁とか、そんな家づくりができたら理想です。現実的には、せめて和室のある家づくりがしたいなぁって思います。
既製品が増えたことで、たとえば階段の墨付けや刻み※を経験しなくても仕事ができることも多いです。大工と呼ばれるからには、職人ならではの手作業も大事にしたい。実際の工事では費用面でなかなか採用されることも少ないですが、昔ながらの技術も伝えていけたらいいなと考えています」。

※注 階段の墨付け、刻み
「墨付け」とは、木材に加工をするための目印をつけること。「刻み」は、その目印に合わせて大工職人が加工すること。

取材日:2017年9月10日

                       取材・文:武田 由紀江


DATA

会社名:有元建設
所在地:〒581-0015 大阪府八尾市刑部4-47